つながりの大切さ感じて 劇団四季俳優 田中勇人さん(高松出身)インタビュー 地元公演、感謝込めて
劇団四季の新作ファミリーミュージカル「はじまりの樹の神話」(同劇団など主催)が2月3日にレクザムホール(香川県高松市玉藻町)で、6日にサクラートたどつ(香川県仲多度郡多度津町大通り)で上演される。作品には高松市出身の劇団員田中勇人さん(26)が出演。幅広い役柄と華やかなダンスでファンタジーの世界を彩る。古里の舞台に立つ田中さんに作品の魅力や意気込みを語ってもらった。
―どのような作品か。
主人公スキッパーが、大昔からやって来た女の子のハシバミと出会うことで生命のつながり、人とのつながりを学び、成長していく物語。コロナ禍で人同士が会いにくい厳しい状況の中、つながりの大切さが今一度感じられ、勇気を与えてくれる作品だと思う。
―田中さんから見た作品の見どころは。
古代の人たちがリュウにおびえ、祈りをささげる冒頭のシーン。ハシバミの住んでいた時代を表現した場面で、特に古代の人々の苦しみを表すダイナミックな振り付けに注目してほしい。ハシバミが村の人々や、自分の生きている時代の人とのつながりを大切にする姿が客席に届けばうれしい。
―地元香川での公演に向けての意気込みを。
まずはコロナ禍の大変な状況の中、地元香川で公演できることをうれしく思う。幼少期からお世話になった方々に感謝の気持ちを込めて演じたい。地元公演はバレエ団に所属していた時に一度経験したが、とても感慨深い思い出になっているので、今回も本当に楽しみにしている。
―コロナ禍で中止になった公演もあると思うが、その間はどのように過ごしてきたか。
外出を控えていたので、家で俳優として何ができるかを考えた。体づくりをしたり、台本を読み込んで自分の役について深く掘り下げたりと、これまで十分に時間が取れていなかったことにも打ち込めた。
―舞台人を目指す地元の後進へアドバイスを。
どんなに頑張ってもうまくいかない時はあるもの。この作品を通して人とのつながりの大切さを感じ取り、周囲への感謝の気持ちを忘れずに夢へ向かって進んでほしい。何事も自分で目標を決めて、最後までやり抜けるよう先輩として応援している。
公演情報
「はじまりの樹の神話」は2月3日18:30からレクザムホール大ホール(高松市玉藻町)で、6日16:00からサクラートたどつ(多度津町大通り)で上演。一般5500円ほか。問い合わせは高松公演=劇団四季全国営業部、電話0570-008-110、多度津公演=サクラートたどつ、電話0877-33-3330。
たなか・ゆうと 5歳でクラシックバレエを始め、英国のイングリッシュナショナルバレエスクールで研さんを積む。バレエダンサー熊川哲也さんが主宰するKバレエカンパニーを経て2017年に劇団四季のオーディション合格。19年の「パリのアメリカ人」で四季での初舞台を踏み、21年には「キャッツ」に出演。
(四国新聞・2022/01/31掲載)