色鮮やかな抽象画並ぶ 高松 江戸健展、本年度寄贈作も
香川県丸亀市出身の洋画家、江戸健(けん)さん(1927~2017年)の画業をたどる常設展「ColorsII 響きあう色彩―江戸健」が、香川県高松市玉藻町の香川県立ミュージアムで開かれている。本年度新たに寄贈された大作「海は魔物よ」や、指導を受けた日本を代表する洋画家、猪熊弦一郎をテーマにした作品など同館初出品の14点を含む約20点の絵画や資料が並び、来場者の興味を誘っている。3月21日まで。
江戸さんは1945年に学徒動員先の小豆島で終戦を迎え、香川師範学校(現香川大)を卒業後すぐに上京。猪熊に絵の指導を受け、豊かな色彩を意識した抽象画を手掛けた。同館では本年度、油彩作品では最大の「海は―」(縦194センチ、横356センチ)など3点の寄贈を受け、生涯にわたる作品がそろったことから常設展を企画した。
会場には、初期の作品から紫が印象的なパリ時代、帰国後、善通寺市や高松市にアトリエを置いた晩年まで時代ごとに分けて展示。中でも、猪熊急逝後に制作した「尖星(せんせい)は龍巻の如く気流にのる」は、闇を抜ける明るい白と黄色に師への敬愛が込められている。
会場を訪れた高松市一宮町の主婦(65)は「猪熊さんの作品展を見た際、もう1人香川から著名な抽象画家が出ていることを知って見に来た。絵から美術家同士の交流が見て取れて面白い」と話していた。
27日13:30から学芸員によるミュージアムトークがある。
(四国新聞・2022/02/05掲載)
香川県立ミュージアム
所在地 | 香川県高松市玉藻町5番5号 |
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開館時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 毎週月曜日(月曜日が休日の場合は、原則として翌火曜日) |
観覧料 | 一般410円(330円) *( )内は20名以上の団体料金 *高校生以下、65歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方は無料 |
TEL | 087-822-0002 |