屋根のない2階建て観光バス「オープントップバス」の導入に向け、マルイ観光バス(香川県高松市)が実証運行を行っている。JR高松駅を発着点に瀬戸大橋や三豊市の父母ケ浜などを巡り、走行時の安全性やツアーの内容を検証。瀬戸内国際芸術祭が始まる4月にも、同バスを目玉とした定期観光路線の開設を予定している。四国運輸局によると、屋根のない2階建て観光バスは香川県内初という。


瀬戸大橋で実証運行する「瀬戸内そらバス」

瀬戸大橋で実証運行する「瀬戸内そらバス」


 同バスは車内から空が一望でき、開放感のある眺めを味わえる。バス自体が観光資源となり、名所を楽しむツアーが大都市圏を中心に展開されている。同社は観光庁の補助事業を活用して、中古バス(全長約12・0メートル、高さ約3・8メートル)1台を改造。2階の屋根の大部分を取り除き、イベント時に使う音響装置などを設置した。定員は乗客乗員合わせて49人で、2階は40席。「瀬戸内そらバス」と名付けた。

 実証運行は28日まで、JR高松駅から瀬戸大橋の瀬戸中央自動車道与島パーキングエリア、宇多津町の四国水族館、高松市の屋島山頂や父母ケ浜などに向かうルートで実施。関係者が試乗して夜間の「ナイトツアー」も行い、適正な走行時間や料金設定などを検証している。

 同社は新型コロナウイルスの影響で、これまでインバウンド(訪日外国人客)向けに運行していたバスツアーを運休中。飯間正照社長は「土日の定期路線化のほか、観光地や企業とコラボレーションしたツアーや貸し切りにも対応したい。新型コロナ収束後を見据えて、事業の主力に育てていく」と話している。

(四国新聞・2022/02/23掲載)


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