かな書道の愛好家グループ「道香社」(原多詠子代表)の第31回書作展が4日、高松市紺屋町の市美術館で始まった。「白とは…」をテーマに、色彩鮮やかなパネルに思い思いの俳句や短歌、詩をしたためて余白の美を追求した力作が来場者を引きつけている。6日まで。


余白の美を追求した作品が並ぶ道香社の書作展

余白の美を追求した作品が並ぶ道香社の書作展=香川県高松市紺屋町、市美術館


 書作展は、新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となった。今回は会員76人が1人1点ずつパネル(縦35センチ、横45センチ)で出品。同グループ創始者の故光宗道子さんと、今年1月に亡くなった日展会員の榎倉香邨さんの賛助出品作を合わせて計78点展示している。

 このうち、大野等さん(琴平町)の作品は、歌人若山牧水が空の青にも海の青にも染まらない白鳥を詠んだ短歌を、淡い水色の料紙にしたためて深い群青色のパネルに貼り合わせている。短歌の情景を、みやびなかなと余白を使って見事に表現し、来場者の興味を誘っていた。

 このほか、質や色の違う紙を破って1枚の紙に継いだ「破り継ぎ」の料紙を使用したパネルも並び、表装に工夫を凝らした作品が会場を華やかな雰囲気に包んでいる。

 友人が出品しているという高松市出作町の自営業、岡田一枝さん(75)は「かなは力強くも繊細。研さんの成果を見ることができてうれしい」と話し、作品の一つ一つに見入っていた。

(四国新聞・2022/03/05掲載)

高松市美術館



関連情報