香川、岡山の島々などを舞台にした現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2022」(同実行委主催)の春会期が14日、始まった。香川県高松市玉藻町のレクザムホールで開会式を行い実行委会長の浜田知事が高らかに開幕を宣言。新型コロナウイルス下での初開催に加え曇り空となった影響からか、各島へのアクセス拠点となる高松港の旅客ターミナルビルや乗船口では終日目立った混雑は見られず静かな初日となった。


高松港旅客ターミナルビルに設置されたAsaki Odaさんの作品を鑑賞する来場客ら=高松市サンポート


 開会式には、北川フラム総合ディレクターや参加作家ら関係者約190人が出席。あいさつに立った浜田知事は「当面はコロナ禍が続くと予想されるが、来場客の皆さんには地域住民や自身の安心安全のための行動を実践し、瀬戸内の素晴らしさや現代アートの魅力を存分に堪能してもらいたい」とアピールした。

 続いて、香川出身の川島猛さんや南条嘉毅さんら約40人の作家がステージ上で紹介され、北川総合ディレクターが海外在住作家らとオンラインや動画を活用しながら開催にこぎ着けた苦労話を披露。最後に瀬戸フィルハーモニー交響楽団のトランペット奏者3人によるファンファーレが会場に響き渡り、開幕を華やかに盛り上げた。


参加アーティストらと壇上に立ち、開会宣言する浜田知事(手前)=高松市玉藻町、レクザムホール


 高松港旅客ターミナルビル1階には、紙で作られた魚や亀が優雅に泳ぐAsaki Odaさんの作品が飾られ、訪れた人たちの目を引いていた。県営桟橋付近では、美術ファンらが検温を済ませてフェリーに乗り込み、スタッフらの見送りを受けながら男木島や女木島、大島などへと向かった。各会場では、思い思いに島を巡りながら、ゆったりとした環境の中で作品を鑑賞していた。

 3年ぶり5回目となる今回の瀬戸芸は、5月18日までの春会期を皮切りに、夏(8月5日~9月4日)、秋(9月29日~11月6日)の3会期に分けて計105日間開催。33カ国・地域から184組のアーティストが214点を出品する。このうち春会期は香川、岡山両県の八つの島々と高松港、宇野港に新作33点を含む計143作品を展示。会期中は島ごとにワークショップやツアー、各種イベントが予定されている。

(四国新聞・2022/04/15掲載)


瀬戸内国際芸術祭2022


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