香川県東かがわ市松原の白鳥神社(猪熊兼年宮司)で開かれる春祭りに合わせ、同神社で4、5の両日、「だんじり子供歌舞伎」が奉納上演される。新型コロナウイルスの影響で過去2年は中止しており、上演は3年ぶり。子どもたちは4メートル四方のだんじりの舞台で最高のパフォーマンスを披露しようと、熱の入った稽古を見せている。


間近に迫った本番に向けて、稽古に取り組む子どもたち=東かがわ市松原、白鳥神社参集所


 同歌舞伎は江戸時代末期が起源とされる。戦後間もなく途絶えたが、1992年に保存会(橋本守会長)が結成され、翌93年に復活。30回目の今年は市内の児童を中心に小学1~5年の男女5人が出演する。

 今年の演目は歌舞伎三大名作の一つとされる「義経千本桜」。そのうち、吉野にいる源義経を愛妾(あいしょう)の静御前と佐藤忠信が訪ねる道中を描いた4段目の「吉野山道行の段」を演じる。子どもたちは新型コロナ予防のため今年に入ってから自宅でせりふを覚えるなどし、本格的な稽古は4月に入ってから取り組み、急ピッチで完成度を高めてきた。

 29日に同神社参集所で行った練習では、本番と同じ衣装で通し稽古を実施。子どもたちはやや緊張した表情を見せつつ、せりふや一連の流れを確認していた。

 中心的な役どころを務める忠信役の岡部蒼汰君(7)と、静御前役の河野絢奏(あやな)さん(9)は「まだ練習が必要なところはあるけれど、本番はしっかりいいものを見せたい」と意気込んでいる。

 子供歌舞伎は4、5の両日、午後1時半から約1時間上演される。

(四国新聞・2022/05/01掲載)



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