香川県善通寺市の総本山善通寺(菅智潤法主)で29日、国の重要文化財に指定されている五重塔の特別公開が3年ぶりに始まった。拝観者は、普段は目にできない貴重な仏像や塔内部の構造などに見入っている。5月5日まで。


五重塔の中で仏像に手を合わせる拝観者=香川県善通寺市、総本山善通寺

五重塔の中で仏像に手を合わせる拝観者=香川県善通寺市、総本山善通寺


 五重塔の2層目までを毎年ゴールデンウイークに合わせて特別公開していたが、新型コロナウイルスの影響で、ここ2年は行っていなかった。今年は人数や時間に制限を設けて再開した。

 同寺の五重塔は、焼失や倒壊を経て、1902年に4代目となる現在の塔が完成した。高さ約43メートルで、現存する国内の五重塔の中では3番目の高さ。塔の中心を貫く心柱(しんばしら)は、上からつり下げた「懸垂工法」を採用している。

 中に入った拝観者は、阿弥陀、宝生など4体の仏像に手を合わせたり、地面から浮いている心柱に驚きの声を上げたり。また2層目では、塔の外側を欄干に沿って巡ることもでき、家族連れらは境内の景色を楽しんでいる。

 家族4人で旅行中の島根県松江市、大沢俊彦さん(66)は「子どもがお寺や神社が好きなので来た。五重塔の中に入れたのは幸運だった」と話していた。

(四国新聞・2022/04/30掲載)


総本山善通寺



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