「いろいろな世代の人が集い、地域のにぎわいの中心となる公園」をコンセプトに、今年3月にオープンした「亀水( たるみ )中央公園」(高松市亀水町)。施設では香川県内有数のバラ園やフランス製の大型遊具が来園者を迎える。ゴールデンウイークが終わり、ちょっと憂鬱(ゆううつ)…。そんな気分の時こそ、花を眺めながら散策してみよう。


赤やピンク色の大バラが園内を華やかに彩る=写真はいずれも香川県高松市亀水町、亀水中央公園

赤やピンク色の大バラが園内を華やかに彩る=写真はいずれも香川県高松市亀水町、亀水中央公園


 敷地面積約2・5ヘクタールの同園は、高松市街から坂出王越方面へ車で20分ほど。2017年に廃止された衛生処理センターの跡地を活用し、南側にあった既設のバラ園と一体化して高松市が整備した。バラ園は、愛好家でつくる「さぬきばらの会」(角陸精二会長)が「香りの町を目指したい」と34年前から手入れを担う。当初は約750株だったが、北エリアにも花壇を設置したことで色とりどりの104種、約1600株が園全体を鮮やかに彩る。

 バラ園がある南エリアは駐車場のすぐ近く。今月上旬に訪ねた際には、まだ四分咲きだったが、どの花も大きなつぼみをつけていた。同会名誉会長の四宮静雄さんは「今月中旬にかけて、待ってましたと言わんばかりに一斉に咲くだろう。香りの強い種類が多いため、園全体がアロマセラピーのようになる」と教えてくれた。

 見頃を迎えている艶やかな明るいピンク色の「プリンセスマーガレット」や、黄色がかったオレンジと赤色の花びらが美しく重なる「チャールストン」などの大バラが、北エリアへ続く200メートルの道の周囲を華やかに染め上げる。歩いていると段差が少ないことにふと、気付いた。誰もが花を楽しみながら散策できるようにバリアフリーにしているという。


ヨーロッパの古城をイメージしたフランス製の大型遊具

ヨーロッパの古城をイメージしたフランス製の大型遊具


 北エリアは大型遊具や大人用健康器具、芝生広場を設けており、うららかな陽気に誘われて訪れた親子連れらが楽しんでいた。高さが約6メートルある大型遊具は、高松市の姉妹都市・仏トゥール市近郊にある企業が製作。ヨーロッパの古城をイメージしたデザインで、濃い水色の本体に黄色のすべり台が付いていてカラフルだ。公園の南側から見ると、城がバラに囲まれたようになり、さまざまな目線で園内の景色を楽しめる。

 遊具の近くにはトゥール市から贈られた同市の風景を撮影した看板もあり、海外とのつながりを実感できるスポットになっている。新型コロナウイルスの影響で海外旅行が困難な今、ここで遠い海の向こうに思いをはせるのもいいかもしれない。

(四国新聞・2022/05/14掲載)



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