坂出市の発展を支えてきた塩をテーマにしたイベント「第31回さかいで塩まつり」(同実行委主催)が21日、香川県坂出市番の州緑町の瀬戸大橋記念公園で始まった。新型コロナウイルスの感染収束が見えない中、希望ある未来を願って約150個のランタンを浮かべ、夜空を照らした。


希望ある未来を願い、夜空に浮かべるランタン=香川県坂出市番の州緑町、瀬戸大橋記念公園

希望ある未来を願い、夜空に浮かべるランタン=香川県坂出市番の州緑町、瀬戸大橋記念公園


 同まつりは、製塩業で栄えた坂出の歴史や、塩田開発に尽力した江戸時代の科学者・久米通賢の功績を広く伝えようと、1992年から毎年開催。新型コロナのため一昨年は中止、昨年は3会場に分散して実施しており、1会場にまとまった開催は3年ぶりとなった。

 今年のテーマは「希望の灯火」。実行委は、新型コロナだけでなくロシアによるウクライナ侵攻など、さまざまな不安要素が社会に影を落とす今、一人一人の胸に明かりをともそうと、夜空にランタンを浮かべる企画を考案した。

 ランタンの大きさは直径約40センチ、高さ約80センチ。発光ダイオード(LED)とヘリウムガスを入れた風船を和紙でくるみ、来場者が手に持てるようひもを付けた。2メートルほどの高さで光がほのかにともると、会場のあちこちから歓声が上がった。

 このほか県内外から22台のキッチンカーが集まり、焼きそばやラーメン、焼き鳥などさまざまなグルメを提供。地元の企業・団体による15のテントブース、歌やマジックショーなどのステージもあり、終日家族連れらでにぎわった。4歳の長男と共に訪れた高松市国分寺町の自営業女性(40)は、「どこにも外出できない期間が長かったが、久しぶりに親子で楽しめるイベントだった」と喜んでいた。

 同まつりは22日にも行われ、塩づくり体験やミニ四駆大会などを行う。

(四国新聞・2022/05/22掲載)



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