1642年の入封から江戸時代末まで11代にわたって高松を治めた高松松平家の功績をしのぶ収蔵品展「IMMORTAL―高松松平家の遺勲とまつり―」が、香川県高松市昭和町の市歴史資料館で開かれている。高松藩歴代藩主の死後の祭られ方などを伝える古文書や絵図など約70点が並び、今に残る功績と郷土の歴史の一端に触れることができる。26日まで。


高松松平家の功績をしのぶ収蔵品展=高松市昭和町、市歴史資料館


 同展は、初代藩主・頼重の生誕400年の節目を記念して同館が企画。高松松平家と讃岐に生きた人々の2部に分け、死や墓所、葬送について紹介している。

 歴代藩主のコーナーでは、一人一人の功績や死についてまとめたパネルと合わせて、自筆の書や絵、甲冑(かっちゅう)などのゆかりの品を紹介。江戸で亡くなった9代・頼恕(よりひろ)のひつぎのお供として帰郷することになった藩士が母親に宛てた手紙には、食事が取れずに体力が落ちていく生前の藩主の様子のほか、藩主のにぎやかな帰城に同行できない無念さがつづられており、死にまつわる内容をしたためた珍しい史料として展示している。

 高松松平家の菩提寺・法然寺(仏生山町)のコーナーでは、頼重に招かれた絵師が描いた「釈迦三尊像」、墓所参詣後の藩主一族をもてなした料理の献立を記録した古文書などの貴重な資料も公開。自然災害や飢饉(ききん)に直面した際に、領民の命を守るために藩が行った政策や人々が生きるためにとった活動なども伝えている。

(四国新聞・2022/06/20掲載)

IMMORTAL―高松松平家の遺勲とまつり―


開催期間 2022年4月29日~2022年6月26日
場所 高松市歴史資料館 企画展示室ほか(サンクリスタル高松4階)
香川県高松市昭和町一丁目2-20
時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(休日の場合は翌平日)
TEL 087-861-4520


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