四国汽船(香川県香川郡直島町)は19日から、同町風戸(せと)港―岡山県宇野港間で、新たに建造したフェリー「せと」が就航すると発表した。定員は500人で、アートイベントなどの開催に対応するスペースを甲板に設置。客室の両舷には窓に面した特別席、展望デッキにはラタン製ベンチを設け、アートや瀬戸内海の景色とともに船旅を楽しめる。


19日から就航する四国汽船の新造船「せと」=高松港

19日から就航する四国汽船の新造船「せと」=高松港


 せとの総トン数は同社所有9隻の中で最大級の987トン、車両積載台数は乗用車換算で61台。同航路で運航している「せとⅡ」(2003年建造)の後継船として1日8往復するほか、今後は高松―直島間でも不定期運航を予定している。建造費は約14億円。

 デザインは「都会の散歩道」がコンセプトで、外観には横断歩道をイメージした赤いライン、客室や甲板の床には白い横断歩道の模様を描いた。客室はバリアフリーに配慮して通路を広くし、座席は264席。客室両舷の窓際には眺めの良い「ビューシート」を31席用意した。甲板の屋根のある部分(約180平方メートル)は、アート関連のイベントスペースとして提供する。報道向け内覧会が4日にあり、野崎ひとみ社長は「今年は瀬戸内国際芸術祭もあり、多くの観光客らに利用してほしい」と話した。

 10日午前11時半ごろから同町・宮浦港で一般向け内覧会を開催。内覧会に先立ち、午前10時14分高松発直島行きの別の船内や宮浦港では、街角に音楽を@香川(鹿庭弘百代表理事)の協力で音楽演奏やパフォーマンスショーがある。問い合わせは四国汽船高松統括事務所〈087-821-5100〉。

(四国新聞・2022/07/07掲載)


四国汽船株式会社


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