米ニューヨークの老舗レコード店に勤務し、DJとしても活躍していた香川県高松市出身の男性が、市塩江美術館(同市塩江町)の休憩スペースで洋楽レコードが楽しめるカフェを開いている。店内は1970~80年代のジャズやソウルを中心に多彩な音楽が流れ、レコードも販売。自然に囲まれたくつろげる空間としてだけでなく、イベントの開催を企画するなど情報発信の場としての活用も目指している。


自然に囲まれた中で洋楽のレコードが楽しめるシダー・レコード・ルーム=香川県高松市塩江町

自然に囲まれた中で洋楽のレコードが楽しめるシダー・レコード・ルーム=香川県高松市塩江町


 男性は同市西植田町の森口俊博さん(51)。レコード店での勤務やDJだけでなく、レコードレーベルを立ち上げるなど、20年以上、ニューヨークを拠点に音楽活動をしてきた。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で活動を制限されたほか、アジア系住民への憎悪犯罪(ヘイトクライム)を身近に経験。「外出が怖いと感じることもあった」と言い、新たな活動拠点を求め、2020年夏に妻の由紀子さんと帰郷した。


「塩江を情報発信の場にしたい」と話す森口さん(左)と由紀子さん

「塩江を情報発信の場にしたい」と話す森口さん(左)と由紀子さん


 「シダー・レコード・ルーム」と名付けたカフェは「自然にあふれ、高松空港も近い。県内外から訪れた人がのんびりと過ごせる場所になれば」と今年4月にオープン。森口さん所有のレコード5千枚以上の中からお薦めの楽曲を本格的な機材で楽しめるほか、森口さんのレーベルのレコードなどを試聴、購入できる。

 「近くに野外ステージなどもあるため、塩江には情報発信の拠点となる可能性を感じている。もう少しコロナが落ち着いたら、音楽イベントを計画したい」と森口さん。カフェの営業は金、土、日、祝日の午前10時~午後4時。コーヒーやカフェラテのほか、日替わりランチやタコライスなどを扱っている。問い合わせは同美術館〈087-893-1800〉。

(四国新聞・2022/07/07掲載)


高松市塩江美術館



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