香川県三豊市詫間町の酒蔵をリノベーションした観光施設「三豊鶴」で、アートと食を楽しめるイベント「酒蔵Art(アート) Restaurant(レストラン)2022」が8月5日から開催される。県内外の現代アート作家23人が参加し、使われなくなった酒造タンクをキャンバスに制作した作品など約220点を展示。レストランではシェフ8人が地域の食文化をテーマに週替わりでコース料理を提供する。会期は11月6日までの土日祝日を中心に計43日間。


酒造タンクをキャンバスに現代アート作品を制作する作家=香川県三豊市詫間町、三豊鶴

酒造タンクをキャンバスに現代アート作品を制作する作家=香川県三豊市詫間町、三豊鶴


 地元の若手経営者5人が設立した合名会社「三豊鶴」が主催。約150年の歴史を持つ酒蔵の空間を生かして「新しい未来の価値」を生み出そうと、瀬戸内国際芸術祭の秋会期に合わせて企画した。瀬戸芸を側面支援する「県内周遊事業」に選定されている。
 旧酒蔵3棟の屋内外を展示スペースに「酒蔵Art Museum(ミュージアム)」として、蔵に残る酒造りの設備も活用したアート作品を並べている。抽象画や金属彫刻、竹工芸など多彩な芸術を手がける作家たちが出展し、作品は一部を除き販売する。
 高松市の抽象作家kuromaさん(26)は、酒造タンクの内部にドローイングの作品を制作。「タンクに描くという話を聞いた時にはびっくりした。斬新な発想で、それにあやかって新しい表現を試みたい」と繊細な線を塗り重ねた。
 酒米の貯蔵庫などとして使われていた棟が会場の「酒蔵Restaurant」では、県内外のさまざまなジャンルのシェフが地元食材を中心にした創作料理を振る舞う。期間中、アート作家のライブパフォーマンスやシェフらとのトークショーなども予定している。
 営業時間は午前10時半~午後10時。アートミュージアムは入場無料。レストランは予約制で、ランチ、ディナーのコース料理のみを提供する。定員は原則として各35人。予約は三豊鶴のホームページのフォームから受け付ける。

(四国新聞・2022/08/05掲載)


酒蔵Art Restaurant



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