香川出身の作家ら10人による特別展「せとうちの大気 美術の視点」(県立ミュージアム主催)が8月5日から香川県高松市玉藻町の同ミュージアムで開かれるのを前に4日、報道関係者を対象にした内覧会があった。写真や映像などさまざまな分野で活躍する作家が瀬戸内をテーマに制作した力作が並び、独自の視点で地域の魅力を伝えている。9月4日まで。


瀬戸内を表現した作品が並ぶ特別展=香川県高松市玉藻町、県立ミュージアム

瀬戸内を表現した作品が並ぶ特別展=香川県高松市玉藻町、県立ミュージアム


 5日に開幕する瀬戸内国際芸術祭の夏会期に合わせ、会場となる地域の歴史や風景に改めて思いをはせてもらおうと企画。同芸術祭の参加作品の一つにもなっている。出展作家は瀬戸内地域で活動経験があることを条件に県内外から選出した。この日の内覧会には作家7人が同席した。
 このうち、写真家の宮脇慎太郎さん(高松市)は小与島を上空からドローンで撮影したパノラマ写真を出品。島の人口は現在2人だけだそうで、住人へのインタビュー映像に加え、かつて採石が盛んだった島の石そのものも一緒に展示した。宮脇さんは「作品を通じて小与島の歴史が少しでも記憶に残れば」と話した。
 美術家の三村昌道さん(同)は、庵治町で採れた幅90センチほどの花こう岩の上に屋島の地質的な成り立ちを表した絵画を金具で固定した。このほか、さぬき市沖などの海中で撮影した映像を音楽と共に流したり、漁網などの漁具に海の映像を投影したりと個性豊かな作品が目を引いている。
 6日午後6時までユーチューブの県立ミュージアムのページでバーチャル内覧会(観覧無料)を開き、会場の様子や作家のコメントを公開している。

(四国新聞・2022/08/05掲載)


香川県立ミュージアム


瀬戸内国際芸術祭2022


四国新聞 特集 瀬戸内国際芸術祭



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