香川県三豊市財田町の香川用水調整池「宝山湖」の湖畔で、3万~4万本あるとされるヒガンバナが今年も咲き誇った。小高い丘の斜面を真っ赤に染め上げ、散策や写真撮影を楽しむ人たちが連日訪れている。


宝山湖の湖畔の斜面を真っ赤に染めるヒガンバナ=香川県三豊市財田町

宝山湖の湖畔の斜面を真っ赤に染めるヒガンバナ=香川県三豊市財田町


 ヒガンバナが群生しているのは宝山湖の南東の約2千平方メートルのエリア。近くの農業図子忠義さん(85)、フミ子さん(82)夫妻が大勢にめでてもらおうと、10年ほど前から球根を植え、草抜きなどの世話を続けながら徐々に数を増やしてきた。2年前には住民団体が「宝山湖の彼岸花をまもる会」を立ち上げ、県内を代表するヒガンバナの名所として親しまれている。
 遊歩道沿いの斜面は真っ赤なじゅうたんを敷き詰めたようで、対岸から見ると湖面にも鮮やかな深紅が映り込む。訪れた人たちは「こんなに多くのヒガンバナを初めて見た」などと感嘆の声を上げ、湖畔を彩る秋の花を写真に収めていた。
 ヒガンバナが咲く期間は1週間ほど。開花は昨年より遅かったが、盛りを過ぎて色あせた花も見られる。周辺は道路が狭く駐車スペースも少ないことから、湖周辺の土地を所有する水資源機構香川用水管理所(琴平町)などは、約1キロ離れた宝山湖の駐車場に車を止めて徒歩で訪れるよう呼びかけている。

(四国新聞・2022/10/03掲載)



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