東京の劇団「前進座」の創立90周年公演「一万石の恋」(同実行委主催)が11月15日、香川県高松市玉藻町のレクザムホールで開かれる。「男はつらいよ」シリーズで知られる山田洋次監督が監修・脚本を務め、落語の「妾馬(めかうま)」を題材に、長屋の娘に片思いする殿様と周囲のドタバタ劇を描く。出演者の一人で俳優の山崎辰三郎さん(徳島県出身)が同市中野町の四国新聞社を訪れ、見どころを語った。


「山田洋次作品を楽しんでほしい」と話す山崎さん=高松市中野町、四国新聞社


 舞台は江戸時代。1万石の藩主・赤井御門守国定は女嫌いの芝居好きで、世継ぎができないことに家臣は頭を痛めていた。ある日、下城途中で長屋の娘お鶴に一目ぼれ。家臣やお鶴の家族、長屋の住人も大喜びするが、お鶴には将来を約束した相手がいた―という物語。
 山崎さんが演じるのは長屋の大家で、縁談を固辞するお鶴を説得しようと知恵をしぼる役回り。山崎さんは「意志の強いお鶴に対して右往左往する周囲の振る舞いが見どころ。学生時代に学んだ落語の経験を生かし、人間味あふれる大家を演じたい」と意気込む。
 山田監督との稽古を振り返り、庶民が会話する幕開けのシーンも熱心に指導していたのが印象的だったという。「ちょっとした場面も大切にすることで人間模様を面白く描こうとしていた。90代で現場に立つ監督とつくり上げた舞台。新型コロナウイルスを吹き飛ばすように笑ってほしい」と来場を呼びかけた。
 会場は小ホール。午後2時と同6時30分開演。入場料は一般5千円(当日5500円)ほか。
 問い合わせは実行委、電話087-821-7891。

(四国新聞・2022/10/13掲載)

前進座創立90周年記念公演 「一万石の恋 裏長屋騒動記 愛の仮名手本篇」


会場 レクザムホール小ホール
香川県高松市玉藻町9-10
日時 2022年11月15日
開場13:30/開演14:00
入場料 全席自由 5000円(当日5500円)


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