庵治石の温かみ伝える 作家12組の作品展示 高松市石の民俗資料館 県伝統工芸士の遺作展も
香川県高松市の庵治と牟礼両町の石彫作家による作品を紹介する企画展「石の里の匠たち 『テーマ・Soul』」が、牟礼町の市石の民俗資料館の屋内外で開かれている。秋空の下、庵治石の繊細で温かみがある風合いを引き出す個性豊かな彫刻作品が並び、来場者を魅了している。11月6日まで。
同展は庵治石に親しんでもらおうと1998年から開催。資料館前の芝生広場と館内に12組が計25点を出品している。
このうち、芝生広場には10点を展示。太田真介の「和の道」は、ねじのような筒の奥をのぞくと精巧な和風の模様が見える仕組みで、人間が持つ「和の心」を映し出す。安部重竹の「不動の怒」は、巨大な原石に剣を振りかざす不動明王を生き生きと彫り出している。
館内の一角では、庵治石をあしらったアクセサリーや、石で制作した中国の弦楽器「二胡」などユニークな作品がそろい、来館者の目を引いている。
企画展示室では、県伝統工芸士の石工・故太田幹雄(牟礼町出身)の遺作展を併催。石庭をイメージした会場で太田が手彫りで仕上げた石灯籠4点が並び、制作風景を撮影した映像や写真と併せて熟練の技を紹介している。
30日午前10時からは、作家アキホ・タタとミニ石灯籠を作るワークショップ(要予約、有料)とアーティストトークがある。館内は入場料200円ほか。屋外は無料。問い合わせは市石の民俗資料館、電話087-845-8484。
(四国新聞・2022/10/20掲載)