坂出の懐かしい風景を写真や映像などで振り返る「坂出今昔展」が、香川県坂出市本町の高松信用金庫旧坂出中央支店で開かれている。明治から大正、昭和期に撮影された建物や風俗などさまざまな作品が並んでおり、来場者は1点ずつじっくり見入り、記憶の中の坂出に浸っている。20日まで。


写真や映像で街の変遷を振り返る「坂出今昔展」=香川県坂出市本町、高松信用金庫旧坂出中央支店

写真や映像で街の変遷を振り返る「坂出今昔展」=香川県坂出市本町、高松信用金庫旧坂出中央支店


 同展は貴重な資料で坂出の歴史を紹介し、市民に改めて郷土愛を深めてもらおうと、市が市制施行80周年記念事業の一つとして5日から開催。写真約250点、映像作品約10点などを展示している。
 最も古い写真は、1910(明治43)年に大黒町(現・元町)で行われた電話線架線工事の風景。13(大正2)年に香風園(本町)へ大隈重信が訪れた際の記念撮影や、12(大正元)年に街を襲った大洪水から避難する地域住民の姿、瀬戸大橋の架橋状況など、歴史的な瞬間を切り取った貴重な写真が多数並んでいる。このほか2000年の国宝・神谷神社本殿の檜皮(ひわだ)屋根ふき替え作業の映像、1933(昭和8)年の「坂出住宅明細地図」などの資料も展示している。
 5日はオープニングセレモニーを開催。有福市長は「坂出の街をもっと愛してもらい、未来に向けて羽ばたくきっかけとしたい」とあいさつした。同市元町の横田佶さん(87)は「1953年に開催された国体の様子を撮影した写真など、それぞれの写真に思い出がある。展示をじっくり楽しみたい」と懐かしげに話していた。
 同展は午前10時~午後4時。12日には関連イベントとして、近くのみなとまちカフェで揚げパンや脱脂粉乳など「昭和時代の給食販売」を実施する。

(四国新聞・2022/11/09掲載)


坂出市市制施行80周年記念「坂出今昔展」の開催について



関連情報