毎月10日は琴平へ―。琴平町観光協会(漆原康博会長)は今月から毎月10日、金刀比羅宮の月次祭に合わせた月例イベント「こんぴら十帖(じゅうじょう)」を開催する。有名シェフが考案したオリジナルうどんなど、町内の14店がその日だけの限定メニューを提供。メニューは月替わりとする予定で、食の魅力でリピーターの獲得を目指す。


創作うどんを試作する奥田シェフ=香川県琴平町

創作うどんを試作する奥田シェフ=香川県琴平町


 年間250万人とされた同町の観光客が、新型コロナウイルスの影響で昨年は半数以下に激減。危機感を抱いた同協会と町内外の有志が、毎月の同宮縁日にちなんで門前町の活性化を図ろうと企画した。イベント名には、源氏物語の最後の10話である宇治十帖のように、琴平でさまざまな物語を紡いでほしいとの願いを込めた。


奥田シェフが考案した豚肉と舞茸のトマトソースうどん

奥田シェフが考案した豚肉と舞茸のトマトソースうどん


 イベントの目玉となるのは、地元産食材などを使った創作うどん。地産地消による地域活性化の第一人者で、山形、東京などでイタリア料理店を経営する奥田政行シェフも協力し、農家視察や試作会を経てレシピを考案した。奥田シェフの「豚肉と舞茸(まいたけ)のトマトソースうどん」はサラダとのセットで1200円で、うどん店「てんてこ舞」2階のイベントレストランで提供する。
 また、「いわのや」の「ぜんざいうどん餅(もち)入り」(380円)、「狸(たぬき)屋」の「ひまわりオイルがけうどん」(デザート付き650円)など、各うどん店が趣向を凝らした一品を展開する。


柿を使った季節のフルーツカクテル

柿を使った季節のフルーツカクテル


 このほか、「季節のフルーツカクテル」「瀬戸内海の幸こんぴら大漁カレー」など、バーや洋食店もユニークなメニューを展開。イベント当日は、書家の紫舟さんが揮毫(きごう)したのぼりを参道沿いに掲げ、観光客らにアピールする。
 参加店舗は12月にはさらに増える見通し。同協会は「昔は『一生に一度はこんぴらさん』と言われていたが、参拝とイベントを楽しみに一年に何度も訪れてほしい」としている。

(四国新聞・2022/11/09掲載)


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