香川県丸亀市中津町の中津万象園・丸亀美術館で10日、企画展「DIALOGUE VIA ARTS―アートが繋(つな)げること展―」が開幕する。県内の企業などが所有し、社屋に飾ったり倉庫で保管したりしている絵画や彫刻などを展示。企業・経営者とアーティストが結ばれ、作品を所蔵するに至った経緯なども説明し、まちの未来を豊かにするために文化芸術へ投資してきた企業の姿を紹介する。


香川県内企業などが所有する芸術作品が並ぶ企画展。作品と共に所有に至った経緯なども紹介している=丸亀市中津町

香川県内企業などが所有する芸術作品が並ぶ企画展。作品と共に所有に至った経緯なども紹介している=丸亀市中津町


 中津万象園・丸亀美術館などを運営する中津万象園保勝会(真鍋雅彦理事長)がふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」が展開するプロジェクトの支援を受けて初めて企画。NTTドコモ四国や四国化成工業、名物かまどなど県内25社・団体が協力し、各社が収集してきた猪熊弦一郎やジョージナカシマ、東山魁夷、和田邦坊らの作品計約40点を並べた。
 開幕前日の9日には出展企業の代表者らを招いてセレモニーを開催。監修した香川県立ミュージアム学芸課・美術コーディネーターの田口慶太さん(66)は「作家と作品をコレクションする人との間にはそれぞれ物語がある。公立の美術館では難しい企画で、民営のこの美術館ならでは。作家を育てる一助にもつながると思う」と評価した。
 同展は、通常は“門外不出”となっている作品を集めた貴重な機会で、担当する同保勝会の真鍋有紀子評議員は「各社と連携する中で、さまざまな思い入れでアート作品を所有していることが分かった。多くの人に見てもらい、作家と企業・経営者との距離感や単にパトロンというだけではないストーリーを伝えたい」と話している。
 来年3月5日まで。開館時間は午前9時30分~午後5時。水曜休館(28~31日も休館)。観覧料は一般500円ほか。問い合わせは中津万象園・丸亀美術館〈0877-23-6326〉。

(四国新聞・2022/12/10掲載)


中津万象園・丸亀美術館



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