詩人の萩原朔太郎(前橋市出身、1886~1942年)の没後80年を記念した企画展が香川県小豆島町田浦の二十四の瞳映画村内にある壺井栄文学館(大石雅章館長)で開かれている。地元の作家、壺井栄や詩人、壺井繁治、米子市出身の詩人、生田春月を含めた4人の関係をパネルや書簡のコピーで紹介している。10日まで。
 企画展は「80年の時を経て小豆島で繋(つな)がった4人の作家」と題して開催。写真パネルなど合わせて約20点が展示されている。



 来場者の関心を集めているのが、同町坂手にある春月の詩碑の除幕式(36年6月)の写真。詩碑は播磨灘に身を投げた春月が引き上げられた場所に、親友である朔太郎らの尽力で建立され、朔太郎ら多くの詩人が式に参列している様子が写っている。
 栄は、帰島するたびに春月の詩碑に季節の花を手向けていたことが文書に残されている。また、繁治が詩人を志したのは、早稲田大学に入学した際、朔太郎の第一詩集「月に吠(ほ)える」に感銘を受けたことがきっかけになったことも紹介されている。
 同館の入場は無料だが、映画村の入村料として中学生以上890円、小学生450円が必要。問い合わせは壺井栄文学館〈0879-82-5624〉(無休、開館時間は午前9時~午後5時)。

(四国新聞・2023/1/1掲載)


壺井栄文学館



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