国内外の若手ピアニストが技術や表現力などを競う「第5回高松国際ピアノコンクール」(同組織委員会主催)は19日、香川県高松市玉藻町のレクザムホールで3次審査の最終日を迎え、審査員による協議の結果、3カ国の5人が本選進出を決めた。香川県人で唯一出場している同市出身の東京芸大2年、西本裕矢さん(20)は本選進出を果たした。


本選への進出を決めた西本さん(右端)ら。(ウクライナのマリア・ナロジツカさんは会見を欠席)=高松市玉藻町、レクザムホール


 3次審査には1、2次の関門を突破した国内外の男女計10人が登場。船形の旧県立体育館(同市)にインスピレーションを受けて制作された委嘱曲「陸に浮かぶ船」をはじめ、バイオリンやチェロとのピアノ四重奏曲などを情感豊かに演奏した。
 本選進出を決めたのは、日本2人、ロシア2人、ウクライナ1人の5人で、最年少は20歳、最年長は34歳。
 西本さんは「ほっとした。委嘱曲は幼い頃から見てきた丹下建築のイメージを基にエネルギーあふれる演奏ができた」と振り返った。本選で予定しているラフマニノフのピアノ協奏曲第3番については「今できる最大限の力を出し切り、作品の持つ壮大なスケール感を表現したい」と意気込みを語った。
 最終審査となる本選は22、23日にレクザムホール大ホールで行われ、指定のピアノ協奏曲の中から1曲を選択して瀬戸フィルハーモニー交響楽団と協演する。優勝者は23日に発表される。
 本選進出者は次の通り。(3次審査出場順、敬称略)
 西本裕矢▽フィリップ・リノフ(24)=ロシア▽ナイール・マブリュードフ(31)=同▽マリア・ナロジツカ(34)=ウクライナ▽青島周平(24)=神奈川県出身

(四国新聞・2023/02/20掲載)


第5回高松国際ピアノコンクール


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