空海しのぶ文化財60点 生誕1250年記念特別展「空海―史上最強、讃岐に舞い降りた不滅の巨人」 22日から県立ミュージアム
774(宝亀5)年、讃岐国多度郡屏風ケ浦に生まれた弘法大師空海。生誕1250年目に当たる今年、香川県高松市玉藻町の香川県立ミュージアムで、空海の事績をしのぶ特別展「弘法大師空海生誕1250年記念特別展『空海―史上最強、讃岐に舞い降りた不滅の巨人』」(同ミュージアム主催、県教委、総本山善通寺、四国新聞社共催)が22日から開かれる。総本山善通寺(善通寺市)をはじめとする真言宗各本山の寺宝を網羅。国宝10件、重要文化財15件を含む60件を展示する。
会場は3部構成。「第1章 空海のぬくもり」では、空海が密教を学ぶために唐に留学してから、わずか2年で多くの成果を持ち帰った強い決意と人柄が伝わる名品を紹介。金剛峯寺(和歌山県)の「諸尊仏龕(しょそんぶつがん)」、総本山善通寺の「金銅錫杖頭」のほか、直筆「三十帖冊子」など書も多く並ぶ。
「第2章 大師への思慕」では、後世に広がった大師信仰に着目。空海を敬愛した後宇多天皇による国宝「弘法大師伝」(大覚寺=京都市)、與田寺(東かがわ市)の「稚児大師像」など、人々が崇敬の思いを込めて表現した空海像が鑑賞できる。
「第3章 讃岐の密教美術」では、空海が唐からもたらした密教美術に着目。空海は師から、密教においては図画(ビジュアル)が経典と並んで重要と教えられ、積極的に取り入れた。華麗な「両界曼荼羅(まんだら)図」(極楽寺=さぬき市)や弥谷寺(三豊市)の「四天王五鈷鈴(ごこれい)」など、県内に伝わる優品を紹介する。
【会期】4月22日(土)~5月21日(日)前期5月7日まで、後期9日から(月曜休館、ただし5月1日は開館)
【観覧料】一般1200円、高校生以下、65歳以上は無料
【問い合わせ】県立ミュージアム 087(822)0002
関連行事
◎開会式・内覧会
21日(金)午後3時~。開会式後、担当学芸員による展示解説付きの内覧会を行う。電話で要申し込み。先着50人。
◎ワークショップ
「空海もふれた香木 白檀に親しもう!」4月29日(祝)午後1時半~、講師:香想師・岩佐祐次郎さん▽「日本画に挑戦!雨の竜王 善女竜王を描く」4月30日(日)午後1時半~、講師:日本画家・鈴木龍子さん(ともに有料、要申し込み、定員20人、多数の場合は抽選)
申し込みは県立ミュージアム学芸課、電話087-822-0247
(四国新聞・2023/04/10掲載)
空海―史上最強、讃岐に舞い降りた不滅の巨人(香川県立ミュージアム)