愛媛県大洲市出身の画家高見和秀(55)の個展が、香川県高松市上林町の大西・アオイ記念館で開かれている。故郷を中心に国内外の風景を緻密に描いた油彩画など約30点が並び、雄大な自然の美しさを伝えている。28日まで。


愛媛県などの風景作品に見入る来場者=香川県高松市上林町、大西・アオイ記念館

愛媛県などの風景作品に見入る来場者=香川県高松市上林町、大西・アオイ記念館


 高見は多摩美術大卒。シベリア抑留体験を映した作品で知られる美術家宮崎進に師事し、2000年に小磯良平大賞展で入選した。現在は久万高原町に拠点を置き、香川など県内外で個展を開いている。今回の個展では初期から近年までの作品に加え、香川出身の妻が栗林公園などを描いた作品も併せて紹介している。
 このうち、メインに据える「詩人の旅立ち」は、大洲市を流れる肱川下流の夕景を題材にした120号の大作。水面にはうっすらと屋形船を描いており、大きな個展を前にした自身の喜びと不安を投影したという。
 大きくうねる大樹の根をその質感まで表現した「見残しの風景」や、旅行で訪れたイタリアの情景も見どころ。いずれも緻密な描写が見られ、まるでその場の空気感も味わえるかのような感覚に陥る。高見は「絵の具の存在感を出すよう塗り方を工夫している。作品を見て共感してもらえたらうれしい」と話している。
 入場料は100円。問い合わせは同館、電話087-880-7888。

(四国新聞・2023/05/18掲載)



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