高松市の演出家・蓮井玄雄さん(87)が主宰する劇団「玄」の旗揚げ公演「ミュージカル 閻魔(えんま)様の家出」が6月3日、同市玉藻町のレクザムホール小ホールで開かれる。人間界を訪れ、悪事をただす閻魔大王の活躍ぶりをコミカルな演技とダンスなどで描き出す。


練習に汗を流す劇団員=香川県高松市塩上町

練習に汗を流す劇団員=香川県高松市塩上町


 劇団「玄」は、長年舞台制作などに取り組んできた蓮井さんが香川の文化芸術のレベル向上を図ろうと昨年結成。旗揚げ公演にはオーディションを通過した県内の演劇愛好家とプロの計18人が出演する。今回のテーマについて、住職でもある蓮井さんは「あまり知られていない閻魔様のことや、悪事を働くとあの世でどうなるかを芝居を通じて楽しく伝えたかった」と話す。
 物語の主人公は地獄の裁判官である閻魔大王。ある日、仕事の息抜きに人間界を訪れ、たどり着いたうどん屋で地獄の毒婦「妲己(だっき)のお百」の生まれ変わりに出会う。人間界でも男をだまし、悪行を続けるお百を改心させるため、閻魔大王は策を練るが…という筋書き。
 注目の一つは舞台を彩るオリジナル曲。ミュージカルでは珍しい生演奏のスタイルで、「サウンド三木ジャズオーケストラ」がタンゴやロックなどを臨場感たっぷりに響かせる。開演前には県内の住職ら6人が雅楽演奏を披露して来場者をにぎやかに出迎える。
 閻魔大王を演じる高松市の植松正剛さん(49)は「志度寺の閻魔堂を見てイメージを膨らませた。コミカルな中にも威厳を見せたい」と意気込んでいる。
 午後6時半開演(同6時開場)。入場料はS席3500円ほか。問い合わせは劇団「玄」事務局、電話087-843-5470。

(四国新聞・2023/05/22掲載)



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