香川県高松市の屋島山上にある新屋島水族館(同市屋島東町)で、バンドウイルカの赤ちゃんが4月末に誕生した。名前は「ナナ」で、雌とみられる。母親の「雪」に寄り添われて元気に泳ぐなどすくすくと育っている。6月10日から一般公開する予定。


母親に寄り添われながらプールを泳ぐナナ(奥)=高松市屋島東町、新屋島水族館


 同水族館にはバンドウイルカが3頭いるが、昨年12月ごろ、雪の妊娠が判明。父親は一緒のプールにいた「ハッチ」で、4月30日夜に無事出産した。
 ナナは、誕生日の数字を足すと7になるほか、生まれた後に7色の虹が見えたことなどから、明るい未来や希望の架け橋になってほしいとの願いを込めて命名。現在は体長約1・3メートルに成長し、飼育用プールで雪と過ごしている。親子で並んで泳いだり、母乳をもらったりする一方で、雪から離れて泳ぐなど活発な一面を見せているという。
 イルカの妊娠や子育ては非常に難しいとされるが、日本動物園水族館協会が2015年に追い込み漁での入手禁止を加盟施設に義務付けたことで、繁殖を試みる水族館が増えている。同水族館も2年ほど前から取り組み、初めて成功した。
 飼育担当の木谷海友さんは「すごく安産で生まれ、徐々に体が丸みを帯びるなど元気に成長している。お客さんを楽しませるだけでなく、成長の過程を通じて多くの人がイルカについて学べる存在になってほしい」と話している。

(四国新聞・2023/05/26掲載)


新屋島水族館



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