香川県高松市屋島中町の「四国村ミウゼアム」で28日、雅楽の公演と平家物語を題材にしたオペラ「扇の的」ゆかりの演奏会が開かれる。会場はミウゼアム内にある農村歌舞伎舞台。平安時代の物語と一緒に、同時代に行われていたという雅楽演奏と舞楽を楽しむ趣向で、県内で本格的な舞楽が開かれるのは珍しいという。


オペラ「扇の的」の練習に汗を流す出演者=高松市内


 ミウゼアムが「華の宴(うたげ)」と題して県神社庁や「扇の的」実行委員会などの協力で実施。企画、演出は若井健司香川大教育学部教授が務めた。実行委は来年10月に扇の的の新作「青葉の笛編」を公開予定で、今回はその周知を兼ねている。
 舞台は2部構成。午後2時からの1部では県神社庁雅楽部の約20人がひちりきや笙(しょう)、琵琶の合奏で「越天楽(えてんらく)」など5曲を奏でる。同4時からの2部では舞手が衣装と面を着けて舞楽「蘭陵王」と「抜頭(ばとう)」を披露する。
 1、2部とも雅楽の後に「扇の的」を抜粋して上演。新作「青葉の笛編」で一ノ谷の合戦に臨む平敦盛と妻葵が笛と舞踊の協演を見せるシーンのほか、前作の那須与一が扇を射抜く場面などを届ける。
 観覧無料だがミウゼアムの入場料(一般1600円ほか)が必要。問い合わせは四国民家博物館、電話087-843-3111。

(四国新聞・2023/05/26掲載)


四国村ミウゼアム



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