仏教などを題材にした作品で知られる日本画家・平山郁夫(1930~2009年)が香川の遍路道や寺社などを描いた作品を取り上げた企画展「平山郁夫―祈りの讃岐路をゆく―」が、香川県立ミュージアム(香川県高松市玉藻町)で開かれている。平山が目にしたみずみずしい風景や霊場などの深遠な作風が来場者を引き付けている。11日まで。


グラデーションが美しい「黎明讃岐路四国霊場八十八番大窪寺」=香川県高松市玉藻町、香川県立ミュージアム

グラデーションが美しい「黎明讃岐路四国霊場八十八番大窪寺」=香川県高松市玉藻町、香川県立ミュージアム


 平山は広島県で生まれ、東京美術学校(現東京芸大)卒。1959年制作の「仏教伝来」以来、仏教からひもとく日本文化の源流を求めて描き続け、87年以降に4回、香川を訪れて作品を制作した。今展では同ミュージアムの収蔵品の中から18点を展示している。
 このうち、縦約1・7メートル、横約5・4メートルの大作「黎明(れいめい)讃岐路四国霊場八十八番大窪寺」は、女体山と東女体山の谷あいにある結願の同寺を描写。孔雀(くじゃく)石という鉱物を原料にした絵の具の緑色のグラデーションが、山に立体感を生み出しており、角度を変えて鑑賞すると鉱物の作用できらめいて見える。また、金色で朝日が描かれており、木々の周囲が柔らかい光で照らされているのが印象的だ。
 深い緑色と金色のコントラストが目を引く総本山善通寺の山門や、水彩絵の具で描かれた根香寺などの作品もあり、さまざまな情景を表現している。担当学芸員の窪美酉嘉子さんは「今の暮らしとのつながりを感じながら、歴史の深さを映し出した作品の数々を楽しんでほしい」としている。
 入場料は一般410円ほか。3日午後1時半から担当学芸員による展示解説がある。問い合わせは香川県立ミュージアム、電話087-822-0247。

(四国新聞・2023/06/01掲載)



関連情報