都市景観大賞 屋島地区に最高賞 官民一体でにぎわい再生
良好な都市景観を生み出す優れた事例を表彰する都市景観大賞（「都市景観の日」実行委主催）の都市空間部門で、高松市屋島地区が香川県内で初めて大賞の国土交通大臣賞に輝いた。屋島の活性化に向けて官民が一体となり、施設のリニューアルや整備、廃屋の撤去を進めるなど名所にふさわしい景観を造形し、名声を失いつつあった著名な観光地をよみがえらせた―などと高い評価を受けた。
都市景観大賞の都市空間部門で大賞に輝いた「高松市屋島地区」（市提供）
都市景観大賞は、国交省に関係する団体などでつくる実行委が毎年実施。2023年度の都市空間部門には全国8地区から応募があり、書類選考や現地視察などを行った。
受賞したのは市、公益財団法人四国民家博物館、山上にある飲食店のれいがん茶屋、屋島山上観光協会、魅力ある屋島再生協議会の5者。山麓と山上を結ぶ道路や周辺空間、山麓・山上の建築物や周遊園路で結ばれた周辺空間を「高松市屋島地区」として共同で応募した。
市によると、屋島地区では民営の自動車専用有料道路を市が無料化し、18年に「屋島スカイウェイ」として供用開始。自転車や歩行者も通行できるようにした。昨年リニューアルした四国民家博物館の「四国村ミウゼアム」はスカイウェイとの空間の連続性を意識した整備を実施。れいがん茶屋は、昨年オープンした市の山上交流拠点施設の整備に合わせて21年にリニューアルした。22年度の山上への来場者数は例年の約50万人を上回る63万人を超えたという。
大西市長は「都市景観の分野で最高といわれる賞をいただき、望外の喜び。引き続き、屋島の魅力ある景観づくりやさらなる活性化に取り組みたい」と語った。また、7月のG7香川・高松都市大臣会合に向けて「高松の魅力を発信する中で、都市景観大賞を受賞した屋島だと大いに宣伝したい」と述べた。
（四国新聞・2023/06/01掲載）