パソナグループで、琴平で文具店を経営する地方創生(東京)が17日、香川県仲多度郡琴平町の新町商店街に地ビール醸造所を併設した飲食店「呑象(どんぞう)ブリューイング」をオープンする。町商工会と連携した空き店舗対策の一環で、同社は「地ビールをにぎわいの呼び水に」と期待している。


醸造所が見える店内を案内する近江社長(左端)=香川県仲多度郡琴平町、呑象ブリューイング

醸造所が見える店内を案内する近江社長(左端)=香川県仲多度郡琴平町、呑象ブリューイング


 同商店街は、1989年には70店が営業していたが、現在は26店のみ。このうち1店が3年前に同社が開店した琴平文具店で、2店目の出店となる。地ビールを通じて地域活性化を目指そうと、パソナグループが昨年、「ビール職人大学校」を設立しており、今回が開業第1号。
 呑象ブリューイングは旧陶器店の建物を改築、飲食スペースから仕込みタンクなどを見られるようにした。延べ床面積約150平方メートル、席数は26席、年間醸造量は最大で9千リットル。店名は、近くにある幕末の勤王家・日柳燕石(くさなぎえんせき)の旧宅「呑象楼」にちなみ、志士たちのように若者らが集い語り合う場所にとの願いを込めた。
 当面は四国内の地ビールとつまみを販売。夏頃から、同店で醸造したオリジナルビールを扱う予定。麦芽かすを菓子の原料や肥料に再利用したり、地元産品を使ったビールを開発したりする。
 また同社では、同店を含む周辺の空き店舗5棟を店舗兼宿泊施設に整備し、長期滞在者らを呼び込む計画もある。近江淳社長は「観光客だけでなく、幅広い人が続けて琴平に訪れたくなる仕掛けをしていきたい」と話している。
 呑象ブリューイングの営業時間は平日午後5時~同10時、土曜は正午~午後10時、日曜は正午~午後8時。問い合わせは0877-85-8202。

(四国新聞・2023/06/17掲載)



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