自転車そのままバス内に 琴平バス 最大20台積載、サイクリング需要狙い
観光バスを運行する琴平バス(香川県仲多度郡琴平町)は自転車を車内に積める大型バス「サイクルバス」を開発、21日から運用を始めた。電動リフトで積み降ろし、トランクルームも含めて最大20台の積載が可能。人気が高まる「サイクルツーリズム」需要を取り込むほか、金刀比羅宮につながる旧街道沿いをサイクリングのモデルルートとして提案し、地域観光の活性化を図る。
同社は貸し切り用などのバス21台を保有。そのうち1台は車いすの積載に対応した車両だったが、年間利用数が限られていたため、今回、約200万円かけて自転車積載用に改修した。
自転車は分解せず、そのままの状態で客室内に12台まで固定できるほか、トランクには分解した状態で最大8台を収容。客室には運転手が操作する電動リフトで運び込む。座席数は自転車の数に応じて21~45席に変えられ、一般的な観光バスとしても利用できる。
モデルルートは、自転車競技のアトランタ五輪代表で、観音寺市内で自転車店を経営する真鍋和幸さん=三豊市在住=が監修。四国各地と金刀比羅宮とを結ぶ「金毘羅五街道」を走るルートを4種類(全長33~150キロ)設定して売り込むほか、今後は旅行会社などとツアー商品を企画する。
料金は一般的な貸し切りバスの1割増程度で運行。自転車の貸し出しも行う。21日は高松市でバスの内覧会があり、楠木泰二朗社長は「初心者から上級者まで楽しめるツアーを考える。外国人観光客の自転車利用も見込まれ、事業の成長に期待している」と話した。
(四国新聞・2023/06/22掲載)