「海軍の至宝」生涯たどる 東かがわ出身の樋端久利雄 郷里で20日から特別展 家族思いの一面も紹介
香川県東かがわ市出身の海軍士官で、将来を嘱望されながら太平洋戦争で39歳の若さで戦死した樋端(といばな)久利雄(1903~43年)にスポットを当てた特別展が、20日から同市引田の市歴史民俗資料館で開かれる。傑出した頭脳や先見性を持ち「帝国海軍の至宝」とも評された樋端の生涯を紹介するパネルなどを展示する。
樋端は旧制大川中(現三本松高)4年修了後、海軍兵学校、海軍大学校と進み、いずれも首席で卒業。艦隊の戦いが主流の時代に航空機による戦術を着想し、航空兵器の改善・改良に努め、自らの名がついた「樋端ターン」といわれる攻撃法も編み出した。
生涯を閉じたのは、43年4月18日。太平洋戦争で連合艦隊司令長官の山本五十六の前線視察に航空甲参謀として随行した際、ソロモン諸島ブーゲンビル島上空で米戦闘機の急襲を受けて撃墜された。
特別展は、平和の尊さや当時の暮らしを知ってもらおうと同館が企画した。樋端の少年時代や海軍での活躍のほか、海軍兵学校入学に合わせて両親や兄に宛てた決意書「告辞」などをパネルで紹介。休みに家族でよく出掛けたり、戦地から手紙を送ったりした家族思いの一面も知ることができる。当時の児童用教科書や旧制大川中の日誌、樋端の遺品も展示する。
関連行事として、8月3日午後1時半から同市湊の市交流プラザで、樋端についての著書を持つ元海上自衛隊横須賀地方総監の高嶋博視さん=さぬき市出身=が講演する。
特別展は10月7日まで。入館無料。火曜休館。問い合わせは同資料館〈0879(33)2030〉。
(四国新聞・2019/07/16掲載)
東かがわ市歴史民俗資料館
所在地 | 香川県東かがわ市引田1000-4 |
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営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)、図書整理日 |
TEL | 0879-33-2030 |