四国最大のモモの産地、丸亀市で「飯南の桃」の収穫、出荷作業が本格化している。今シーズンは開花期間中の天候が安定し、以降は適度な降雨もあり、大ぶりでジューシーな仕上がりに。モモ畑では美しくピンクに色づいた果実が食べごろの甘い香りを放ち、生産者も「手塩にかけて育ててきた。より多くの人に食べてもらいたい」とアピールしている。


食べごろを迎えたモモを収穫する山田さん=丸亀市飯山町

食べごろを迎えたモモを収穫する山田さん=丸亀市飯山町


 県農協飯南地区桃生産部会では、同市飯山町と綾歌町、坂出市川津町の132軒の農家が県内出荷量の約7割を生産。熟期の異なる計15品種を県内市場や九州へ出荷するほか、県農協坂本選果場(丸亀市飯山町)に併設する直売所で販売しており、今年は昨年より30トン余り多い350トンの出荷を見込んでいる。
 飯南の桃は、樹上で完熟近くまで育てるのが特徴。5月に果実に二重の袋をかけた後、収穫の10~14日前に外側の袋を外して柔らかい日差しを当て、美しい色に仕上げていくという。
 丸亀市飯山町の農家、山田月善さん(79)は35・5アールの畑で4種計約70本のモモを栽培し、現在、主力品種の一つで早生(わせ)種の「日川白鳳(はくほう)」が収穫・出荷のピークを迎えている。22日に報道陣の取材に応じた山田さんは果実を一つ一つ丁寧にちぎりながら、「果実は大きく膨らんでおり、色もしっかり付いている。口に入れた際のみずみずしい食感を楽しんでもらいたい」と笑みを浮かべた。


きれいに色づいたモモが並ぶ直売所=丸亀市飯山町、県農協坂本選果場

きれいに色づいたモモが並ぶ直売所=丸亀市飯山町、県農協坂本選果場


 収穫は「あかつき」「なつおとめ」「なつっこ」などと品種が入れ替わりながら7月末ごろまで続く。同選果場では外観品質だけでなく、糖度などの内部品質も調べられる高精度の光センサーを搭載した非破壊選果機を導入。品質をそろえて出荷しており、中でも糖度12・0度以上で外観も優れた果実は県産果物のブランド力を高める県の推奨制度「さぬき讃フルーツ」として出荷されている。
 選果場併設の直売所は今月13日に販売を開始。全国発送にも対応しており、連日、大勢の人たちが贈答用や“自分用”として地域の逸品を手に入れようと列をつくっている。販売期間は7月下旬までの見込み。営業時間は午前9時~午後4時。期間中は無休。

(四国新聞・2023/06/23掲載)



関連情報