「かわいい」収蔵品紹介 張り子や絵図、ポスター… 高松市歴史資料館 来月3日まで
香川県高松市昭和町の市歴史資料館で、「かわいい」をテーマに同館の収蔵品を中心に紹介する「かわいい展 江戸→令和」が開かれている。張り子や絵図、ポスターなどさまざまな時代の品々が並び、愛らしさの多様性を伝えている。9月3日まで。
今回は、担当学芸員がかわいいという言葉から連想した「丸い」「ゆるい」「レトロ」「ポップ」の四つのキーワードに分けて、江戸時代から近年の53点を紹介している。
展示室で出迎えてくれる高松張り子の「奉公さん」は曲線的な形や優しい表情が特徴的。同市南新町生まれの文人画家・長町竹石(ちくせき)(1757~1806年)による「脩竹書屋図(しゅうちくしょおくず)」は、竹林に囲まれた家の窓からほのぼのとした表情で顔をのぞかせる家主が描かれており、ゆったりとした時間の流れを感じさせる。
現在のチラシに当たる、明治時代の色鮮やかな「引札(ひきふだ)」や、昭和30年代に同市福岡町の公衆浴場で掲示していた「入浴の心得」が書かれたノスタルジックな看板も出品されている。さぬき高松まつりの前身の「港まつり」と今年の高松まつりのポスターも並び、見比べることで時代の変遷がうかがえる。
担当学芸員の増本有加里さんは「訪れた人それぞれの『かわいい』を見つけてもらえれば」と話している。
入場料は一般200円ほか。問い合わせは同館、電話087-861-4520。
(四国新聞・2023/08/17掲載)