香川県高松市の彫刻家・大島よしふみ(68)の個展「あそびにおいでよ!2023夏休み 大島よしふみ彫刻展」が、香川県高松市塩江町の市塩江美術館で開かれている。段ボールで作った木を室内の中心に配置した会場には、鮮やかな色彩のワイヤでかたどったほぼ実物大のセミやカブトムシなどの昆虫が並び、夏らしい空間を演出している。9月3日まで。


ハチが巣に集まる様子を表現した作品


 大島は、男木島のお年寄りが使う乳母車をアートにするプロジェクト「オンバ・ファクトリー」を展開するなど、瀬戸内国際芸術祭の参加作家としても活躍。今展ではワイヤで作った昆虫やドローイング作品など計約320点を紹介している。
 木に止まったカブトムシやセミ、角砂糖を運ぶアリの行列、花粉を運ぶハチなど自然界の昆虫の営みをほうふつさせる作品を展示。約20色のワイヤを使い分けて制作したという。土を敷き、先端に緑色の球体が付いた棒を刺して周囲にトンボを配し、草むらを舞う様子を表現したコーナーや、来場者が乗って動かすことのできる全長約3メートルのカマキリの木彫作品などもあり、遊び心あふれる個展となっている。
 ヒントを基に大島以外の人物が制作した昆虫を探し、正解者に抽選で作品をプレゼントする企画など、来場者を楽しませる仕掛けもある。大島は「子どもたちには自然の中で過ごす楽しさを、大人には懐かしさを感じてもらえれば」と話している。


「自然の中で過ごす楽しさを感じて」と話す大島=高松市塩江町、市塩江美術館


 観覧料は一般300円ほか。問い合わせは高松市塩江美術館、電話087-893-1800。

(四国新聞・2023/08/24掲載)



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