丸亀市は24日、同市一番丁の丸亀城三の丸にある延寿閣別館で宿泊客を受け入れる「城泊」について、1人1泊60万円を上限に設定する方針を明らかにした。2024年度中の事業開始を目指す。同日発表した9月定例議会(今月31日開会)の提出議案に関係条例の制定案を盛り込んだ。


城泊事業で使われる改修前の延寿閣別館(資料)

城泊事業で使われる改修前の延寿閣別館(資料)


 城泊は観光客らを城内に宿泊させる試み。日本文化が体験できる場所として訪日外国人客らの満足度向上を図る取り組みとして、観光庁などが推進している。丸亀市も欧米などの富裕層をメインターゲットにしており、松永市長は「十分満足させられる内容に磨き上げ、丸亀のことを好きになってもらえるように努めたい」と意欲を示した。
 市によると、城泊は愛媛県大洲市の大洲城などで先進的に取り組まれており、現存木造天守のある12城では初めて。丸亀京極藩6代藩主・京極高朗の隠居部屋だった延寿閣は1933年に丸亀市通町から城内三の丸へ移築。合わせて延寿閣に連なる貴賓室として別館(特別室)を整備した。別館は木造平屋で延べ床面積約120平方メートル。現在、城泊での活用に向け、本年度の当初予算に約2億円を計上し、耐震補強工事や庭園の改修などを進めている。
 城泊では、1人1泊60万円(税別)の範囲内で、夕食、朝食の2食と丸亀の歴史・文化が満喫できる体験メニューなどを提供する。宿泊の定員は4人まで。詳細は今後詰める。大洲城では1泊2食付き総額110万円(2人まで)で提供、乗馬での入場体験や鉄砲隊の祝福などのメニューが組み込まれているという。
 併せて、市観光協会を指定管理者に選定し、事業を進める方針も示した。

(四国新聞・2023/08/25掲載)



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