香川県三豊市仁尾町の昔ながらの町並みにひな人形や物語のジオラマなどが飾られる「仁尾八朔(はっさく)人形まつり」(同実行委員会主催、四国新聞社など後援)が22日、町文化会館周辺で始まった。新型コロナウイルス禍前の2019年以来、4年ぶりの開催。展示は商店の店先や民家の座敷など23カ所であり、訪れた人たちは路地を散策して歴史情緒に浸っている。24日まで。


歴史上の人物の名場面を再現したジオラマなどが展示されている仁尾八朔人形まつり=香川県三豊市仁尾町

歴史上の人物の名場面を再現したジオラマなどが展示されている仁尾八朔人形まつり=香川県三豊市仁尾町


 同まつりは、八朔の日(旧暦8月1日)にだんご馬などを飾って子どもの健やかな成長を祝う風習に由来しており、地元有志が1998年に復活させた。
 ジオラマは、歴史上の人物やおとぎ話の名場面を石や砂、草木などで箱庭風の舞台に再現。戦国時代に仁尾の地に攻め入った長宗我部元親の初陣の様子を描いた作品などが注目を集めている。
 仁尾小学校は、5年生の児童37人が4年生の時に作った父母ケ浜の未来像のジオラマを出展。父母ケ浜の砂や古い貝殻などを使い、「ごみがなく、生き物が住みやすい環境に」などの願いを込め、グループごとに取り組んだ力作を並べている。
 香川高専詫間キャンパスの学生が手がけた「一寸法師」の舞台飾りはからくり人形で、一寸法師が乗るおわんが動く仕組み。ほかに、人工知能(AI)用の自立電源技術を生かして発光ダイオード(LED)照明を使った看板を制作し、市仁尾支所前など3カ所に設置した。
 丸亀市から訪れた50代女性は「紫式部をあしらったおひなさまがとてもきれい。人形やジオラマが古い町並みとよく調和している」と話し、買い物を楽しみながら鑑賞していた。
 時間は午前9時~午後4時。スタンプラリーも実施している。仁尾浜第二港湾に臨時駐車場を設け、無料送迎バスを運行する。

(四国新聞・2023/09/23掲載)


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