国の伝統的工芸品である香川漆器を展示販売する「香川の漆器 伝統工芸士まつり」が、香川県高松市の栗林公園商工奨励館北館ホールで開かれている。この道一筋の職人の技が光る食器を中心とした日用品など約2千点が並び、来場者の興味を誘っている。9日まで。


伝統工芸士の技が光る漆器に見入る来場者ら=高松市、栗林公園商工奨励館


 今回で39回目となるまつりは、香川漆器と伝統工芸士の技術を広く知ってもらおうと香川漆器伝統工芸士会(有岡良員会長)が毎年開催。業者と作家の県内12組が蒟醤( きんま )、存清(ぞんせい)、彫漆(ちょうしつ)、後藤塗、象谷塗をはじめとした伝統技法を生かした家具や花器、アクセサリーなどを出品している。
 会場では、後藤塗を施したマグカップや象谷塗の箸など普段使いできる作品がずらり。このうち、タツノオトシゴをあしらった皿は色漆で文様を描いて輪郭や細部を彫る「存清」を駆使。金粉を用いて上品な雰囲気に仕上げている。色彩豊かなアクセサリー置きやブローチ、プレートも並び、手に取って品定めする外国人観光客も見られた。
 会場の一角では、伝統工芸士の指導で漆芸の技法を活用して盆や箸などを制作する体験コーナー(有料)も実施。銘々皿に色付けをした丸亀市津森町の主婦横溝彩香さん(28)は「香川漆器のデザインの多さに驚いた。生活の中に取り入れていきたい」と笑顔を見せていた。

(四国新聞・2023/10/07掲載)



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