火縄銃を使った演武で観光客らを魅了している「高松城鉄砲隊」(穴田豊久隊長)が、今年で結成10周年を迎えた。演武では、高松を中心に香川県内各地の行事に出向き、甲冑(かっちゅう)や陣羽織をまとって江戸期に造られた鉄砲で轟音(ごうおん)を響かせており、15日には同市仏生山町で開かれる「高松秋のまつり・仏生山大名行列」に出演し、節目の年にふさわしい迫力満点のパフォーマンスを披露する。


今年で結成10周年を迎えた「高松城鉄砲隊」=香川県高松市玉藻町、史跡高松城跡・玉藻公園

今年で結成10周年を迎えた「高松城鉄砲隊」=香川県高松市玉藻町、史跡高松城跡・玉藻公園


 同隊は、火縄銃の愛好家らが2013年に結成。以前から江戸後期に活躍した讃岐の科学者で、砲術家などとして知られる久米通賢(1780~1841年)の文献研究や古式鉄砲の保存、実技演習を行う中、同市玉藻町の史跡高松城跡・玉藻公園の盛り上げに一役買おうと、2013年5月から同公園桜の馬場を皮切りに演武を始めた。
 現在の隊員数は、市内を中心とした25人。桜の馬場での年6回程度の定期演武のほか、高松港ではクルーズ船の寄港歓迎演武を行い、昨年7月の同公園桜御門の開門式では大きな“祝砲”をとどろかせた。全国のイベントなどにも参加している。
 演武では、大筒や中筒、短筒のほか、銃身の長い狭間(さま)筒などを使用。撃ち方として一斉射撃をはじめ、一人ずつ順番に撃つ「つるべ撃ち」、準備ができた射手から撃つ「乱れ撃ち」、織田信長が長篠の戦いで用いたことで有名な「三段射法」などを披露している。
 ここ数年は新型コロナウイルスの影響で演武数の縮小を余儀なくされながらも毎年継続して実施。一方、10代が射手に加わるなど新たな隊員も増えているという。13日には穴田隊長らが市役所に大西市長を訪ね、活動内容を報告するなどした。
 10周年を迎え、穴田隊長は「地域振興に貢献できればと思い、取り組んできた。お客さんが喜んでくれることが活力になっている。これからも鉄砲隊をアピールするとともに、活動を通じて高松の認知度アップにつながれば」としている。
 仏生山大名行列では15日午後2時から仏生山公園で演武を披露。年内では定期演武のほか、地域のまつりなどにも出演する。

(四国新聞・2023/10/14掲載)


高松城鉄砲隊


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