瀬戸内海歴史民俗資料館開館50周年事業 瀬戸内国際芸術祭参加作品「そらあみ」と民具“競演” 26日まで
香川県高松市亀水町の瀬戸内海歴史民俗資料館で制作が進められていた漁網のアート作品「そらあみ」が完成し、同館の展示室で公開されている。昭和時代の木造船や漁具などが並ぶ空間にカラフルなそらあみが浮かぶように張り巡らされており、瀬戸内の民俗資料と現代アートの“競演”が楽しめる。11月26日まで。
そらあみはアーティストの五十嵐靖晃さん(45)=千葉県=が2013年、16年、19年の瀬戸内国際芸術祭で坂出市の沙弥島などに出展して注目を集めたアート作品。今回の制作・展示は、同館が開館50周年事業の一環として実施した。
制作は7月22日~10月9日の間に展示室で行われ、観光客や地元児童ら延べ536人が、竹製の網針や目板などを使った昔ながらの方法で手編みした。大きさは縦10メートル、横10メートルで、赤や黄色など5色のカラフルな作品に仕上がっている。
会場ではそらあみを天井付近からつり下げ、網の底が膨らむように展示した。五十嵐さんは「網の底にまるで巨大な生き物がいるかのように見せ方を工夫した。会場にある木造船や漁具を網越しに眺めて何かを感じ取ってほしい」と話している。
(四国新聞・2023/11/03掲載)