香川県高松市鬼無町に農業倉庫をリノベーションして造ったギャラリー「KINATEI」がオープンした。貸し出しにも対応し、作品展示やイベント開催などに幅広く活用してもらう考え。オーナーの住田佳瑞子さん(54)は「実験的な展示もできる自由度の高いギャラリーなので、個性的な企画が集まってほしい。ここがアイデアが生まれる拠点となれば」と話している。


「アイデアが生まれる拠点となれば」と話す住田さん=高松市鬼無町、KINATEI


 画家で写真家の住田さんは、アートを通じて人々がつながる場を作ろうと、2017年に自宅敷地内に私設美術館「鬼無庭園美術館」を開設。KINATEIは同館の近くで、4月にオープンした。
 ギャラリーを造ることを決めたのは、昨秋に広島県尾道市で古民家のリノベーション事例を見学したのがきっかけ。古い建物の趣を残しつつショップやゲストハウスに生まれ変わったのを目の当たりにし、倉庫の改修を思い立った。
 倉庫は約50年前に建てられた木造2階建て(床面積約50平方メートル)。壁の塗り替えはボランティアで集まった人々と行い、2階の床板は取り外して机などに再利用。1階建ての開放的で木の温かみを感じられる空間に仕上げた。軒先には藤棚の“屋根”が広がっている。
 開設後初のグループ展として現在、「ポストカードマルシェ」を開催中。県内外の13人の作家が制作した100種類以上のポストカードを展示販売している。住田さんは「作品を鑑賞して得た感動を持ち帰れるのがポストカードの魅力。それぞれの作家のファンを増やす手助けにもなれば」と話している。
 美術館とギャラリーの入場料はポストカードマルシェ開催期間中(11月30日まで)は無料。以降はイベントによって変動する。ギャラリーのレンタル料金は応相談。問い合わせは住田さん、電話090-2782-2063。

(四国新聞・2023/11/27掲載)



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