香川県さぬき市大川町の南川地区で生産された今年の自然薯(じねんじょ)の販売が30日から始まる。秋まで暑い日が続いた影響が心配されたものの、品質は上々。「独特の粘りと味の良さを楽しんでほしい」と、農家は連日、出荷作業に精を出している。


自然薯を手にする南川自然薯研究会のメンバー=香川県さぬき市大川町

自然薯を手にする南川自然薯研究会のメンバー=香川県さぬき市大川町


 同地区の自然薯栽培は、水はけの良い土質や昼夜に寒暖差がある地域特性を生かし、1987年にコメに替わる作物として始まった。89年からは地元農家が南川自然薯研究会(頼富義弘会長)を結成し、栽培・普及に取り組み、県内最大の産地に育った。
 今季は同研究会の30~80代の男性会員10人が約1ヘクタールで、昨年より千本多い約6千本を栽培。15日には、1600本を定植した小倉広士さん(32)の畑で初掘りが行われ、土の中に埋めたパイプの中から長さ60~120センチほどの自然薯が次々と姿を現した。
 頼富会長は「10月中旬まで気温が高く、雨も少なかった影響を心配したが、サイズの大小はあれ、どれもきれいな形。十分に販売できるものができた」と笑顔で話した。
 販売は、同地区の南川自然の家で30日午前8時半からスタートし、なくなり次第終了。例年、4、5日程度で売り切れる。価格は「秀」「優」「等外」などの等級で異なり、1キロ当たり3400円(秀)~1600円(等外)。
 販売期間中の問い合わせは南川自然の家0879-43-3064。

(四国新聞・2023/11/28掲載)



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