いずれもサクソフォン奏者で、三木町出身の白井奈緒美と高松市出身の国末貞仁のデュオコンサートが28日、同市屋島西町の穴吹学園ホールで開かれる。白井が香川で指導する「Sプロジェクト」の10周年を記念した公演。第一線で活躍する2人がサクソフォンの奥深い魅力を伝える。


白井奈緒美、国末貞仁

白井奈緒美、国末貞仁


 2人は2010年に県文化芸術新人賞を同時受賞。白井はフランスのパリ国立高等音楽院を経て欧州などでソリストとして活躍し、現在は横浜市の高校で演奏指導にも当たる。国末は日本を代表するサクソフォン奏者須川展也に師事。全国で公演を開く傍ら京都市立芸大などで非常勤講師も務めている。
 白井は同賞の受賞をきっかけに同年Sプロジェクトを立ち上げ、教え子の中からプロ奏者も輩出している。10周年を迎え「今後もサックス公演を継続することで、香川から良い演奏家が生まれたら」と話す。
 コンサートは2部構成。Sプロジェクトの発表会となる第1部は、プロの吉田春乃(さぬき市出身)、竹野壮一郎(高松市出身)を含め計約10人が独奏を披露する。ピアノは香川明美(同市出身)。
 白井と国末による第2部は、英国の遺跡に見られる三つの巨石の組み石をモチーフにした「トリリトン」(須川展也委嘱作品)をデュオ演奏。新型コロナウイルス流行時に制作された曲で、音の重なりによって支え合う大切さを伝える。ソロでは白井の「ファジー・バード・ソナタ」(吉松隆作曲)、国末の「さぬきファンタジー」(石川亮太作曲)なども聴きどころ。ピアノは東京芸大伴奏助手非常勤講師の蒲生祥子。
 かがわ文化芸術祭2023の参加公演。入場料は第1部(午後1時開演)が無料、第2部(同6時開演)は一般2千円ほか。問い合わせはSプロジェクト、電話090-4789-5210。

(四国新聞・2023/12/21掲載)



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