香川県仲多度郡琴平町でビール工房などを経営するパソナグループの地方創生(東京)は21日、同町に地域まるごとホテル「GOYA」を来年12月にオープンすると発表した。新町商店街の空き店舗5棟を改修して宿泊施設にするとともに、ビール工房や周辺の飲食店などと合わせ、地域一帯をホテルに見立てて楽しんでもらう構想。訪日客らを取り込み、シャッター街となっている商店街の活性化を目指す。


改装工事中の空き店舗3棟について説明する近江社長=琴平町


 金刀比羅宮の表参道からつながる同商店街では、1989年には70店が営業していたが、現在は27店にとどまる。うち2店が、同社が町商工会と連携して開店したビール工房と文具店で、今回のホテルも空き店舗対策の一環。
 ビール工房と文具店、GOYAの総床面積は733平方メートル。GOYAでは、時計店やクリーニング店だった空き店舗3棟を一体化し、1階にベーグル店、日本茶カフェ、多目的スペースを設け、それぞれの2階をゲストハウスにする。道向かいのビール工房と隣接した民家2棟も、2階で宿泊できるようにする。フロント業務はビール工房と文具店で行う。
 計5室のゲストハウスは60~85平方メートルで、五行説をテーマに木火土金水のイメージでデザイン。ランドリーやキッチンも備え、連泊に対応する。多目的スペースには、讃岐一刀彫を思わせる高さ4メートルの鬼の面などを展示、日本文化をアピールする。


来年12月にオープンするGOYAのイメージパース


 計5室のゲストハウスは60~85平方メートルで、五行説をテーマに木火土金水のイメージでデザイン。ランドリーやキッチンも備え、連泊に対応する。多目的スペースには、讃岐一刀彫を思わせる高さ4メートルの鬼の面などを展示、日本文化をアピールする。
 宿泊料は1泊2人で5万円からの見込みで、最も大きい部屋には6人が宿泊可能。台湾などの訪日客や日本人の女子旅利用を想定しており、パソナグループの施設と連携して、2025年大阪・関西万博や淡路島からの誘客を図る。連泊して、GOYAを拠点に周遊してもらう狙いもある。
 同社の近江淳社長は「観光だけでなく、地元の人とも交流できるハブ(基点)にしたい」と語るとともに、「このホテルがシャッター商店街を活性化させる一つのモデルになれば」と期待している。

(四国新聞・2023/12/22掲載)


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