川島猛作品 モチーフの形に着目 70年の変遷を展観 5月まで、高松でテーマ展
香川県高松市在住の現代美術家川島猛(93)が制作した絵画の「形」に着目し、その変遷をたどるテーマ展「フォルムの誕生」が、同市亀水町のアトリエ兼美術館「川島猛アートファクトリー」で開かれている。活動初期とされる東京時代(1950年代)から半世紀以上活躍したニューヨークでの作品までが並び、多様な制作スタイルの移り変わりを通覧できる。来年5月4日まで。
テーマ展は5章構成で、絵画43点の制作年代を時系列で展示。第1章の「東京時代」では、51年に上京した川島が武蔵野美術専門学校(現武蔵野美術大)を辞めて人体描写専門の代々木絵画研究所に入所し、渡米する63年までの12年間に手がけた作品を紹介している。
このうち、格子の中に象形文字のような抽象記号を配列した名称不明の大作(縦210センチ、横280センチ)は、ニューヨーク近代美術館の永久収蔵作品にもなった代表作「レッド・アンド・ブラック・シリーズ」(60年代)の原点といわれる作品の一つ。香川では初公開で、人体表現を追求した川島ならではの柔軟で独創的なデザインがうかがえる。
第3章では格子が取り払われて青い空や白い雲を連想させる「ブルー・アンド・ホワイト・シリーズ」(70~90年代)、第4章では画面からモチーフが飛び出し色彩豊かに描かれた「ドリームランド」(70~90年代)が取り上げられ、時代とともに変わりゆくさまざまな形や色合いを知ることができる。
入場料は一般千円(高校生以下は無料)。開館時間は火、木、土曜の午前10時~午後4時。問い合わせは川島猛アートファクトリー、電話087-802-6888。
(四国新聞・2023/12/25掲載)