香川県仲多度郡まんのう町吉野の大宮神社境内で29日、2024年の干支(えと)「辰(たつ)」にちなんだ巨大な竜のオブジェが完成した。黒木裕司宮司(46)は「辰年は転機の年と言われる。ここ数年、新型コロナウイルスの影響でつらい年が続いたが、来年こそは良い年に転じてほしい」と願っている。


境内に完成した巨大な竜のオブジェ=香川県仲多度郡まんのう町吉野、大宮神社

境内に完成した巨大な竜のオブジェ=香川県仲多度郡まんのう町吉野、大宮神社


 オブジェは初詣の参拝客を迎える縁起物として、氏子らが20年以上前から毎年製作。今年も氏子総代会の杉上敏憲会長(76)ら10人ほどの同会メンバーが、11月中旬から少しずつ作業に取り組んできた。
 竜は高さ約2・5メートル、全長約6メートル。雲に見立てたカイヅカイブキの枝の上で、宝玉を手にした勇ましい竜が悠々と泳ぐ様を表現した。体は竹の骨組みに麻布で肉付けし、竹の輪切り約2500個をあしらってうろことした。喉元には一つだけ、他のうろことは逆方向に付いているという「逆鱗(げきりん)」も隠れている。カイヅカイブキは、同宮参道に並んだ木を伐採した枝を活用。竹や鹿の角など、素材はほぼ同町内で集めた物を使用した。
 巨大オブジェは同神社の「正月名物」として知られており、製作過程を見学に来る人も多いという。杉上会長は「興味を持ってくれる人が年々増え、力が入った。今年もよい出来栄えになったと思う」と目を細めた。オブジェは来年4月いっぱい設置する予定。

(四国新聞・2023/12/30掲載)



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