香川県高松市の洋画家・四宮金一(85)と次男で造形作家の龍(48)、孫の高松工芸高校美術科1年の慶(16)による作品を紹介する「四宮三世代展」が、坂出市駒止町のかまどホールで開かれている。それぞれの個性が光る絵画や造形が、作風の変遷や若者らしい感性の一端を伝えている。28日まで。


来場を呼びかける(左から)四宮慶、金一、龍=香川県坂出市駒止町、かまどホール

来場を呼びかける(左から)四宮慶、金一、龍=香川県坂出市駒止町、かまどホール


 金一は変形キャンバスに黄色で描く作風で知られ、2008年に地域文化功労者文部科学大臣表彰を受けた。龍は海洋環境をテーマに海の漂流物などを材料に制作しており、13年に県文化芸術新人賞を受賞。慶は学生を対象とした絵画コンクールなどで入賞を重ねている。
 初の親子3代の作品展となる今回は計約60点を展示。金一は近年、直線的な画風から曲線に変化し、新たにチョウを入れて描くようになったという。会場には、ベールが漂っているような黄色を基調とした空間で自由に舞うチョウを描いた絵画が並び、鑑賞者の想像力をかき立てている。
 龍の「私風景」シリーズは流木などを用いて波打ち際を表し、水面に映る風景の絵と組み合わせることで奥行きを表現。慶は未来への希望を込め、飛び立つ飛行機を描いたアクリル画などを出品している。
 金一は「3世代展を開催できてうれしい。二人には制作活動の中で自分の軸を見つけてほしい」と話している。
 入場料は一般300円ほか。問い合わせは同ホール、電話0877-46-2178。

(四国新聞・2024/01/18掲載)



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