香川県さぬき市前山の遍路関連の史料を収蔵する「おへんろ交流サロン」で、納経帳にスポットを当てた企画展が開かれている。江戸期から昭和期までの納経帳が並び、時代による違いなどを楽しめる。2月25日まで。



 同館は個人などからの寄贈を受け、約1300点の遍路関連の史料を収蔵している。企画展は四国遍路の保存・継承に向けた取り組みとして収蔵品を順次紹介しており、今回は各札所を巡った証しとなる納経帳を取り上げた。
 会場では江戸期以降の納経帳11点(複製1点含む)を展示。18世紀中頃から寺番を記す札所が増加し、時代が進むにつれて手書きから朱印に変遷したことが分かるパネルも用意した。
 江戸末期の安政南海地震(1854年)で土佐藩や宇和島藩の遍路道が被害を受けたことに伴い、明治初期までお遍路さんが両藩内に立ち入れなかった際、23番薬王寺(徳島県美波町)と44番大宝寺(愛媛県久万高原町)付近に設置された遙拝(ようはい)所で拝むことで、その間にある札所を巡ったとされたことが分かる明治期の納経帳も並んでいる。
 無料。開館時間は午前8時~午後4時。21日と2月11日には片桐孝浩館長が展示解説を行う。時間はいずれも午後1時から1時間程度を予定している。

(四国新聞・2024/01/18掲載)



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