丸亀市沖の広島・江の浦港で整備が進められていた待合所のリニューアルが終わり、26日に記念式典が開かれた。ピザやコーヒーを販売するカフェが新たに併設されたほか、屋上部分に瀬戸内の多島美を満喫できるテラスも設置。特産品の販売など観光案内機能も強化しており、島の新たなキーステーションとしてにぎわい創出の一翼を担う。


リニューアルされた江の浦港待合所=丸亀市広島町

リニューアルされた江の浦港待合所=丸亀市広島町


 リニューアルは地域住民らでつくる「讃岐広島・小手島・手島活性化協議会」と、トリドールホールディングス(HD、東京)、丸亀市の3者で取り組む「三つの島の未来航路 共創プロジェクト」の一環。整備資金を同HDが企業版ふるさと納税で拠出した。
 式典には関係者や島の住民ら約80人が出席。広島地区連合自治会の横瀬実会長は「過疎化が進む厳しい状況の中ではあるが、新たな待合所を中心ににぎやかな輪が広がり、移住者が増えることを期待したい」とあいさつ。松永市長は「地域活性化のシンボルとなることを願う」、同HDの粟田貴也社長は「今後も魅力ある塩飽諸島のために取り組みたい」と述べ、テープカットで完成を祝福した。


待合所とカフェの運営を担うスタッフ

待合所とカフェの運営を担うスタッフ


 カフェを含む待合所の運営は同協議会が担う。カフェの目玉となる島ピザ(1300円)は、島で捕獲されたイノシシのミンチ肉を使い、生地も粉から手作りする。責任者は昨年3月から島に住む同志社大学政策学部4年の佐々原悠馬さん(22)が引き受け、「島の人から愛されることはもちろん、カフェをきっかけに島を訪れる人が増え、にぎわいを生み出せる場所にしたい」と抱負を語った。
 特産品の販売や休憩スペースの清掃なども「HOTサンダルプロジェクト」を機に移住した若手芸術家らが担い、同協議会の白賀誠治会長は「若い世代がいると、気分も明るい。島の玄関口でもあり、本当にありがたい」と目を細める。
 カフェは27日から営業を始める。島特産の青木石でひいた「石臼コーヒー」も販売。当面は土、日曜、祝日限定で、時間は午前11時~午後4時。

(四国新聞・2024/01/27掲載)



関連情報