四国水族館(香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁)に、環境省が国内希少野生動植物種に指定しているトサシミズサンショウウオが展示されている。世界でも高知県土佐清水市にしか生息しないとされる貴重な生物を間近で見学できる。


褐色の小さな体をした希少生物・トサシミズサンショウウオ=香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁、四国水族館


 トサシミズサンショウウオは両生類サンショウウオ科の生物で、同市内の流れの緩やかな小川などにすんでいる。1972年に発見された当初、九州に生息するオオイタサンショウウオと同じものと考えられていたが研究の結果、別種であることが分かり、2018年に新種認定された。
 昨年12月中旬、種の生息域外保全のため、保護・調査を行っている高知市の動物園「わんぱーくこうちアニマルランド」から20匹を譲り受け、うち5匹を同月23日から公開している。同館によると、トサシミズサンショウウオを展示しているのは、同ランドと高知県立足摺海洋館(土佐清水市)を含めて全国で3館のみ。体長10~14センチ、愛嬌(あいきょう)のある褐色の生物が水槽の中、木の枝の下などにひっそりと身を潜める様子がうかがえる。
 同館は「世界にはまだ知られていない生物がたくさんいることを知り、自然の大切さを感じてほしい」としている。

(四国新聞・2024/02/19掲載)


四国水族館



関連情報